日本株が下降中だ。日本の政権が、厳しい現状を認識し、何をしようとしているのか 内外にメッセージが届かない。政府が,「デフレ、円高、株安」のトリレンマの中 で、ナショナルパワーの後退が急速に進んでいる危機を自覚しないと、次から次へと 起きる経済、財政、外交など難問の前で、ことに当たって対応する対症療法で終始し てしまう危険があるのだ。
これは、国会の与野党のみの問題ではない。国民の理解と 協力が、絶対に必要なのだ。
その意味でも、国を引っ張る力には、住民に最も近い地方自治体のパワーアップこ そが、必須の要件となる。
小泉政権は、時代のトレンドは、「官から民、中央から地方」だと改革の柱を訴え た。正しい方針だった。地方は、いつも、国の力で前進するという他人任せから、自 立を求められる。特に、国力が減退してきた今、最も急がねばならないベースの課題 だ。しかし、現実は、国が、地方の力を信じず、自立の条件整備が遅れているのが実 情だ。
民主党政権は、先般の通常国会で、「地域主権改革3法案」を継続審議にし棚上げし てしまった。何なのだ。
菅総理は、6月の所信表明でも、地方問題に、たった5行しか触れず、今回の代表選でも、ほとんど言及していない。これは、時計の針を明らかに戻している。
一方、小沢さんは、国から地方への補助金など21兆円を、一括交付金として地方の自由裁量で財政運営を可能にさせると提案した。一見、思い切った配慮に思えるが、実は、年間21兆円のひも付き補助金を、一括地方に任せるが、その中から、国の財源が生まれると言ったのだ。
正に暴論で、15兆円が社会保障関連で、残りが公共事業などの内容を考えたら総額から数兆円をカット出来るなど不可能だ。財源不足に悩む自治体は、これ程ショックなことはない。評判の悪い「仕分け」より横暴だ。
要は、民主政権の頭の中には、地方自治体の強化など眼中にない驚くべき実態がある のだ。「一将功なり万卒枯る」で、所詮、地方分権は、民主党政権では進まないとい うことを知らされた。
問題は、総務大臣になった片山善博(元、鳥取県知事)氏の去就だ。改革の旗手で、 民主党政権にもしっかり距離を置き正論を吐いていたが、就任の記者会見で、早く も、「自分のわがままな見解は封印する」と断言してしまった。
これでは、単なる、菅政権への就職ではないか。本気で、頑張って、時には憎まれ者になっても、地方の側に立たねばならない。