23日、政府は、緊急雇用対策本部(本部長、鳩山由紀夫総理)を開き、昨年末、問題化した「年越し派遣村」の再現を防ぐため、官製の派遣村を各地に設置することを決めた。今のところ全国136自治体が対応する。
しかし、昨年の騒ぎに反省した大企業は派遣切りを極力避けるだろうし、既にかなりのリストラが終了しており、年末の派遣労働者の突然解雇のような不慮の事態は起きないのではないかと見られているが、政府は失職した労働者の年末年始の生活相談、宿泊所の提供、食事の提供を自治体事務所や福祉事務所で行うことにした。
大部分は、相談業務になるだろう。東京都では、都内に生活実態があり、ハローワークで求職手続きをした人だけが対象者となる。それでは、問題は、ホームレスや他県から大都市に流入した失職者をどう救うかだ。旧来からの山谷や釜ケ崎の住人への新たな対策も避けて通れない課題だ。
考えてみると、昨年の派遣村は、全国から失職した人々を最も目立つ日比谷公園に集め、マスコミにどんどん公開した、明らかに「労働組合」立の派遣村なのだ。
当然、連合など労働組合が、指導者も金も出して演出したことは、余り知られていない。
大企業が如何に悪どいかをPRするには決定打だった。東京都の許可も取らずに日比谷公園という目立つ場所を占拠した。厚生労働副大臣もうろたえて、ろくな調査もせずに、同省講堂を開放した。当時の愛知県出身の副大臣は、日頃、ホームレス問題に、どれだけ関心を示していたろうか、名古屋のホームレスはどうしているだろうか。
労働者派遣法の改正を目論む労働組合のプロパカンダとしか言いようがない派遣村、世間の同情を呼び、やらせにはまったとしか言いようがない。現に、通常国会に、製造業への契約派遣労働者の派遣を規制する法案が出ると聞く。経済界は猛反対、企業の海外流出を促進し、結局、失業者の増大につながるからだ。議論と検証が必要だ。
7年前、私たちが議員立法で成立させた「ホームレス自立支援法」が、あと3年で時限がくる。未だ、1万8千人のホームレスが、寒空の下、越年する。
成長戦略がないまま100兆円の大型予算になるが、既に、鳩山不況が懸念されている。完全失業者は300万人を超え、雇用は、最大の課題となってきた。
ホームレスとは、基本的にハウスレス(家の無い人)で、路上や公園に起居する状態。そこで、先ずは、定住の住宅が必要。次に、定職に誘導し、社会復帰を目指す。ホームレスは、その過程での状態をいうに過ぎない。ホームレスに至る原因が、非正規の派遣切れで有ろうと、一般の倒産、失職、多重債務などからの逃避であろうと変わりなく、定職がないという状態は同じだ。
今日まで、自民党政府は、常時全国に点在するホームレスに、全力を挙げて対策を立ててきた。一時3万人を数えた状態から、やっと半減したが、残念ながら、1万5千人が路上に生活しているし、ネットカフェやサウナに寝泊りする若い日雇い労働者というホームレス予備軍がいる。今まで、労働組合も看過してきたではないか。ニートのように、未だ、親元で失業状態にある若者は恵まれている。
政府の、緊急雇用対策本部は、もっと幅広く非雇用者の実態に踏み込み、政府の指導で、「住宅の確保、常用雇用の創出、違法路上生活の禁止」に全力を挙げるべきだ。当然、年末年始だけの問題ではない。これらの対策が遅れると、犯罪の温床化、自殺者の増加、生活保護制度の崩壊と際限なく健全な社会の崩壊につながるからだ。
ホームレスは、貴方をいつ襲うか知れない経済難民が主流なのだ。