スポーツの内、格闘技は、相手を倒すのが目的の武術が基本だ。従って、ルールを守ることで相手を傷つけるリスクをぎりぎりで回避する。
ところが、見た目、平和的な競技でも、少々気を抜いただけで、事故につながるのだ。
今回、都内の公的スポーツ施設で起きた、アーチェリー練習中の事故が、注目されている。アーチェリーは、元々、イギリス、アメリカで流行り、日本には戦後持ち込まれ 日本弓道連盟の中に産声を上げた、比較的若い歴史だ。紳士淑女のスポーツとして普及し、オリンピックの正式種目だけに数々の話題を提供してきた。
しかし、矢のスピードは、時速200〜230キロmに及び、厚さ5ミリの鉄板を射抜く威力があるのだ。
今回の目黒区内で起きた事故は、たった二人の友人同士人で練習をしていたが、相手の額に矢が刺さり、病院に搬送後4日目に亡くなってしまったのだ。
全日本アーチェリー連盟(安倍晋三会長)は臨時総会を開催した。東京都アーチェリー協会は、保坂会長、近藤理事長以下執行部が出席して、事故の報告をすると共に、再発防止を強く訴えた。
今回の事故は、まだ警察が調査中で真相が把握できないが、昨年4月28日、神戸でも高校1年生が同級生に、アーチェリーの部室でふざけて矢を発射、軽症を負わせた事故があったので、連盟は事故の再発防止徹底を行っていた。東京協会も、講習会を開催、安全マナーの徹底を行っていただけに、関係者のショックが大きい。
プロの世界では、事故も少なくない。ぎりぎりまでの勝負が展開されるが、生命に至る事故防止は徹底している。学生や子供たちのスポーツ事故は、うっかりか、僅かな注意不足が事故につながる。指導員の努力と教育で、事故を無くすしかない。
7月4日、千葉市の事故は、重さ2.7キロの砲丸が2階から転げ落ち、下で待機していた中3の生徒を怪我させた。又、9月10日、大阪は、中学2年の生徒が投げた砲丸が、同級生の頭に当たり、大阪府警は、非行事実として児童相談所に通知している。9月16日岡山の高校生が、授業中に、砲丸が8m先の同級生を直撃する事故が起きている。
悪ふざけや、注意不足で重大事故につながると、両方の子供たちが傷つき将来を失う恐れまである。学校にせよ、スポーツクラブにせよ、安全マナーの徹底を図ると共に、指導者の指導に期待したいが、指導者自身の育成は政府の支援が必須の要件だ。
政権交代により廃案となった「スポーツ基本法案」に、大きな期待があっただけに残念だ。特に、東京オリンピックにも及び腰で、どちらかと言うとスポーツ振興は、民主党政権にとって弱いジャンルのようで、今後の対策が見えてこないのが不安でならない。